資格を取得する前に考える一番大切な事

多くの資格は大体秋頃に試験があり、今頃の時期に合格発表が行われる。

合格した人は今まで頑張った事が報われるが、落ちてしまった人はとても辛い思いをしている事だろう。

それはさておき、通信教育最大手のユーキャンが「2014年、武器になる資格は!?」という調査を行っている。

2014年、武器になる資格は!?|生涯学習のユーキャン

この調査によると1位はファイナンシャルプランナー(FP)、2位はケアマネージャー、3位はTOEIC、4位は社会保険労務士、5位は簿記という結果になったようだ。

<生涯学習のユーキャン調査>

2014年に取っておくと武器になりそうな資格は

2位、4位は確かに武器になる資格だと思うがそれ以外はどうだろうか。

資格(国家資格)を取得する際のチェックポイントとして「名称独占」と「業務独占」というものがある。

「名称独占」とは資格を持たない人はその資格の名称を勝手に使えないという意味で、「業務独占」とは資格を取得していない人が業務を行うことは認められないという意味だ。

例えば2位のケアマネージャー(介護支援専門員)の独占業務は「ケアプラン作成を含めたケアマネジメント業務の報酬を請求する事」であり、4位の社会保険労務士の独占業務は「労働保険や社会保険の手続きに係る書類作成・提出」となる。

国家資格にとってこの独占業務というものが非常に重要なのだ。

1位のファイナンシャルプランナーは独占業務がない。つまりどんな人でもファイナンシャルプランナーの仕事(その他国家資格の独占業務以外)を行う事ができるという事であり、資格を持っている人だけができる事は何もない。

ただし、○級ファイナンシャルプランニング技能士やAFP、CFP等の名称は資格を持っている人しか名乗る事ができないが(名称独占)

私的には武器になる資格を取りたいなら「独占業務」があるものを選ぶべきだと思う。

その資格を持っている人しかできない業務があるという事は非常に魅力的だ。その分受験資格が厳しかったり、難易度が高かったりするが・・・。

ファイナンシャルプランナーや簿記の資格が全く意味のないものではない。現在の職業やこれから就きたい職業に使えるなら十分価値があるだろう。

しかし、私のように2級ファイナンシャルプランニング技能士と簿記1級、宅建等を持っていても全く畑違いの仕事をするなら世間話の幅が広がるくらいにしか役に立たない。

持っているだけでも~と言う人もいるが、実務に全く使わなければ勉強して覚えた知識などすぐに忘れてしまう。

1つの資格を取得する為には膨大な時間が必要だ。自分の見識を深めたい人ならいいが、仕事の為ならよくよく考えてから取得する資格を決めるべきだと思う。人間の一生なんて長いようであっという間だから・・・。

それから資格を取っただけで就職できるといった甘い考えは持たない方がいい。

資格を持っているだけの人間なんて大して役に立たない。大事なのは実務ができるかどうかだ。

資格を持っている人を長い目で育てて実務を教えてあげれば素晴らしい人材に育つのは間違いないが、会社(特に中小企業)は常に即戦力を求めているので、非常に残念な事だが資格を持っている人より実務ができる人(その業務の経験者)を優先する傾向が高いのだ・・・。

ただし、仕事に使わないのであれば評価は逆転とまではいかないがかなり変わってくる。

ファイナンシャルプランナーの資格は幅広くお金の事を勉強できるし、簿記も知っておいて損はないだろう。

特におすすめなのは女性だ。

夫が働き、妻が家事をしているような家(最近は少ないかもしれないが)では家計(保険、貯蓄、年金)の改善に間違いなく役立つだろう。

2級ファイナンシャルプランニング技能士(AFP)程度の知識があれば、保険会社の営業とも対等以上に話ができるだろうし、貯蓄の選択の幅が広がったり、ローンの金利比較や定年後は在職老齢年金や高年齢雇用継続給付等についてもすんなり理解できると思う。

仕事として使える資格を取得するのか、それとも自分の知識を得るついでに資格を取得するのかを最初の段階で決めるといいだろう。

では実際に資格を取得する方法だが、本屋等で参考書と過去問を買って勉強する方法と資格学校に通う(通信教育もある)方法がある。

私の経験上、ほとんどの資格は参考書と過去問だけでも時間とモチベーションがあれば取得できるだろう。ファイナンシャルプランニング技能士なら2級、宅建、行政書士、簿記2級程度なら十分合格できる。

特にファイナンシャルプランナーの資格はあまり用語も難しくないので楽しみながら勉強できるかもしれない。

ちなみに私は3級FP、簿記2級、宅建は参考書と過去問で、2級FPと簿記1級は通信教育で合格した。

2級FPは物凄くモチベーションが低かったので通信を利用したが高い人なら参考書等でも大丈夫だろう。簿記1級は少々厳しいかもしれない。

お金に余裕がある人なら通信教育を利用する事をおすすめする。

自分の理解度も分かり易いし、モチベーションが下がってきた時になんらかのアクションがあるので続けられる。

なによりそこそこのお金がかかるので勿体ないから頑張ろうという気持ちになるのだ(参考書等は3~4000円程度なので落ちてもいいという気持ちになりやすい)

いずれにせよ1つの資格を取得するにはお金も時間もかかる。仕事に使うのか、自分の知識を深めるのかをよく考えて選んで欲しい。


通信教育を受けるなら国から給付金がでる可能性がある。

教育訓練給付制度|厚生労働省

【関連のある外部リンク】
FP技能検定|一般社団法人 金融財政事情研究会
[介護支援専門員]:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター