遂にというかようやくというか私が思っていたとおり首から下げるタイプの除菌剤が消費者庁から使用中止を呼びかけられた。→首下げ除菌剤でやけど=消費者庁「使用中止を」
今回は中に次亜塩素酸ナトリウムを含む錠剤が入ったタイプで、その錠剤が水分に触れる事により強酸性物質となり、重症の化学やけどを負ったという内容だった。
実はこの首から下げるタイプの除菌剤は結構な数発売されている。おそらく今年のノロウイルスやインフルエンザの流行から各社こぞっての販売になったのだろうと推測する。私の周りでもかなりの数の人がつけており、事実職場に営業が来た事もあった。
昔の記事で書いたように私は数年来の次亜塩素酸水信者なのでこんな物は最初から信用してなかったのだが、周りの人間は中身について調べずに「こんな良い物があったのか」とか「首から下げるだけで病気を防げるなんて便利」とか言って営業の勧めるままたくさん買っていた。
この首から下げる除菌剤は私の知る限り2種類あり、次亜塩素酸ナトリウム(ハイター)タイプと二酸化塩素タイプに分けられるだろう。
前者の次亜塩素酸ナトリウムタイプが今回騒動を起こしたわけだが、この前者については論外。次亜塩素酸ナトリウムみたいな有害なものを首から下げて除菌などと馬鹿としかいいようがない。
まあこんな普通に考えたら分かるような事を分からなかった消費者にも問題があるとは思うが、作った人間も相当の馬鹿だろうな。
次に後者の二酸化塩素タイプなのだが、これに関しては正直難しい。二酸化塩素自体は高い殺菌性を持ちながらも取り扱いや持続性に問題があるため長年用途が限定されていたものだ。
しかしながら、近年二酸化塩素をアルカリ性水溶液に溶存させて安定化させる方法が開発され、これを安定化二酸化塩素と呼び次亜塩素酸水と同じように除菌や消臭に使用されている。
もし首から下げるタイプの除菌剤にこの安定化二酸化塩素が使用されているのならそこそこの安全性は担保されているだろうと私は思う。
次に効果に関してだが、前者に除菌や消臭の効果があるとは全く思わない。次亜塩素酸ナトリウムを首から下げるだけでウイルスの殺菌が出来るならそんな商品ははるか昔から販売されているだろうし、化学反応が怖くて私なら絶対につけない。
次に後者についてだが、これは非常に難しい。
実際、前者の次亜塩素酸ナトリウムも二酸化塩素も溶液として使うなら除菌消臭効果は高い(次亜塩素酸ナトリウムはアルカリ下での効果は低いが効果はある)ただ、それを首から下げているだけで効果があるか?と聞かれたらう~ん・・・分からないと答えるしかない。
独立行政法人国民生活センターに二酸化塩素の据え置きタイプに関する相談が多く入っており、当該法人がそれに関する回答を示しているのでリンクを貼っておくので参考に。→二酸化塩素による除菌をうたった商品-部屋等で使う据置タイプについて-
とまあ色々考察し
ながら首から下げる除菌剤について書いてみたのだが、大前提を書くのを忘れていた。次亜塩素酸ナトリウムタイプだろうが、二酸化塩素タイプだろうが医薬品じゃないから薬事法に抵触するので首から下げるのは止めた方がいいと思う。
おすすめするのは私が長年使っている次亜塩素酸水をスプレーや加湿器に入れて使用する事(二酸化塩素を加湿器に入れる事をすすめているところも多いが危険性が危惧されているのでやめよう)。
二酸化塩素に関してもスプレーで使用するのは効果が高いと思う(二酸化塩素系は効果は高いが値段も少々高い)この二つを除菌・消臭目的で使用するのは非常に有効だと思う。