「ルパン三世カリオストロの城」「風の谷のナウシカ」「天空の城ラピュタ」「耳をすませば」「もののけ姫」。次々と新しいアニメ映画がでてきても全く色褪せない名作の数々。宮崎駿さんは間違いなく世界最高のアニメ監督だ。
その宮崎駿さんが長編映画製作から引退するらしい。もう72歳なのでいつ引退してもおかしくないなと思ってはいたのだが、実際引退の二文字を見ると非常に寂しい気持ちになった。
<宮崎駿>長編映画製作から引退へ 「風立ちぬ」が最後の作品に
個人的には「もののけ姫」以降の宮崎アニメには以前の作品ほどの感動を感じなかったが(あくまで個人的な感想)それでも毎回楽しみに鑑賞させてもらった。
もうその楽しみが無くなってしまうのかと思うとやはり寂しいな。
どれも素晴らしい作品なので順位をつけるのは非常に難しいが、やはり私が一番好きな作品は「風の谷のナウシカ」だ。
若い頃は単純に戦闘シーンや映像の美しさに感動したものだが、歳をとるにつれて、作品に込められた宮崎さんの思い等、細かな部分を楽しめるようになってきた。
映画で「風の谷のナウシカ」の面白さを知り、漫画版を買い、寝る間も惜しんで読んだ頃が懐かしい。
漫画版のナウシカは本当に奥が深く、私の悪い頭では何度読んでも理解できなかった。
インターネット上にはナウシカを様々な角度から分析して評価している人も多いので時間がある人は調べてみるといい。私はそのように分析できるような優秀な脳も思想も経験も残念ながら持ち合わせていないので素晴らしい作品としかいえないが。
宮崎さんの最後の作品になってしまった「風立ちぬ」では、宮崎さんの思想が左翼的だとインターネットを中心に非難された。
私も憲法改正や慰安婦等の発言に失望したひとりなのだが、宮崎さんは元々からそういう思想の方だったので特に驚きはしなかった。
家族での会話の中でその事について妻や子供にどう思うと聞いてみた。妻はいい作品を作る人だけれど、人間的には残念な人だなと言った。
子供は私にこう言った「宮崎さんは本当に戦争が嫌なだけなんだよ。私もお父さんが戦争に行って死ぬのは絶対嫌だもん。」
もしかしたら宮崎さんは本当にただ戦争が嫌なだけの人かもしれない。彼の中で反戦こそが一番重要な事であり、それ以外は全て些細な事なのだとしたら彼の行動はある意味間違っていないのかもしれない。
個人的にはもっと調べて意見を言ってくれよ、誰よりも影響力のある人なんだからとは思うが。
ただ、そのような思想的な部分も作品には全く関係ない。宮崎駿さんが偉大なアニメ監督だという事も全ての作品が証明している。
本当に今まで私たちを楽しませてくれてありがとうございました。お疲れ様でした。