いつものようにお昼のヤフーニュースサーフィンをしていて見つけた記事。
かんぽ生命保険が、顧客に不利益となるような保険の乗り換え契約を繰り返していた問題で、福岡県の70代女性が25日、西日本新聞の取材に応じた。女性は「郵便局員に強く勧められ、意に沿わない乗り換え契約をさせられた。毎月の保険料も増え、納得できない」と怒りをあらわにした。
約3年前、2人組の局員が自宅を訪れ「良い保険がある」と別の保険を勧誘。既に保険に加入していたため断ったが、局員は「相続税対策になる」「今入っている保険の内容を圧縮すれば、保険料は支払えますよ」と繰り返し、同じ名称の保険に乗り換え契約した。
後日、新たな契約内容を確認すると、月額保険料は以前より3万円以上多い10万8350円になり、支払期間も27年までに延びていた。さらに、他の保険会社の医療保険に加入していたため「必要ない」と伝えていた入院特約も勝手に付けられていた。
私も趣味でFP技能士の資格を取っている事もあって、金融や保険の記事には目を通すようにしている。
ここまで酷いケースもなかなかないが、「保険の転換」というのはトラブルにつながりやすい。
大前提としてこの「保険の転換」というものは百害あって一利なしと言われている(ケースによって雀の涙ほどのメリットがある場合も)。
細かく説明するのは面倒なので比較的分かりやすく書いているサイトのリンクを貼っておく。興味のある人はどうぞ。
保険の「転換」はメリットなし? 保険の見直しで得する方法とは|ZUU online
今回はかなり悪質なケースだったのでこのように表沙汰になったが、大なり小なりこのようなトラブルは起こっている。さらに郵便局だけではなく、銀行や保険代理店など生命保険(医療保険を含む)を販売しているところでは日常茶飯事なのだ。
できるだけ儲かる保険を販売しようとする保険外交員と保険に対して無知な消費者が取引をするのだからこのようなトラブルが起こるのはある意味必然といえるだろう。
ちなみにこの事件ほど悪質ではないものの、先日我が家でも同じような事があった。
年金暮らしの母が郵便局に毎月数万円ずつ貯金をしているのだが、郵便局員から「それだけ毎月貯金するなら貯金代わりに半分くらいうちの保険にも入ってください」と言われ、入れたお金以上に貯まるならと保険に加入したのだ。
昭和の時代ならいざ知らず、現在の保険は一部の保険(リスクのある変額保険等)を除いて、解約時に支払った保険料よりたくさんお金をもらえるという事はない。基本的に保険というものは損をするものなのだ。
母に保険加入の話を聞いてすぐに資料を見せてもらったがまず解約返戻金がいくらなのかも載っていなかったし母も分かっていなかった。
すぐに年度毎の支払い保険料と解約返戻金の資料を郵便局に用意するように言って確認してみると当然ながら支払い保険料に遠く及ばない保険設計になっていた(必要のない入院特約も付加)。
お金が増えると思って加入したのに増えないと知った時の母の顔は、怒りと恥ずかしさが同居しているように見えたものだ。
この件についてはすぐに解約する旨を伝えて終わり。
なぜ保険の内容を理解していなかったのに加入したのかと母に聞くと、いつも行っている郵便局なので断れば今後嫌な対応をされるかもしれないと思ったのと、郵便局は昔からあるので信用できると思っていて損な事を勧めるはずはないと思ったからだそうだ。
母は昔から郵便局や銀行の人はしっかりしていると口癖のように言っていたのを思い出した。
都会の人からすればはぁ?という話かもしれないが、田舎では年寄りを中心に未だに郵便局や銀行を正義の味方のように思っている節があるのだ。
まあ郵便局に関してはユニバーサルサービスを提供している事もあって私も好感を持っているのだが、銀行・・・特に地方銀行などは存在する価値があるのか疑問に思うような屑の集まりだと思う。
地方銀行の6~7割が10年後赤字転落という記事も見たが、何かを生み出す事もそれを補助する事もできない存在なのだから致し方なしだろう。
生命保険を販売すれば儲かるものだから、現在は銀行も必死に営業をかけており、郵便局よりはるかに悪質なケースも多々あるようなので注意してほしい。
「数年前の銀行業界では、最大の営業商品は投資信託でした。売れば売るほど手数料が入るおいしいビジネスでしたが、各行が次々と参入して手数料の値引き競争が激化。旨みがなくなってきた。
その代わりに出てきたのが、生命保険。投信同様に、売った分だけ生保会社から手数料が入るので、各行が営業モード全開。特に日本では高齢者を中心に『銀行』というだけで絶大な信頼がある。その信用力を持って保険の窓口販売(銀行窓販)をするだけで、ウソのように大量の保険が売れる」
郵便局や銀行が信頼できる存在というのは過去の話。
今は騙しやすい人間を騙して利益を上げようとする輩が跋扈する時代であり、それは郵便局や銀行も例外ではない。
私のように高齢の両親を持つ人は最大限の注意を払い、もし騙されたり誤って意味の分からない生命保険に加入していた場合は対応策を取ってあげてほしい。
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